なぜ消えた?
札幌市にお住まいの方なら、必ず行ったことがある豊平川。豊平川と鮭の歴史は長く、古代の先人達が鮭を捕獲していたと思われる漁具も見つかっています。(ちなみに、北海道に人が住み始めたのは約2万年前の氷河期なんですって)
なので、豊平川の柵には鮭がモチーフになっているんですね。
が、しかし、そんな豊平川から鮭が消えました。そう、豊平川の水質悪化です。
1950年代、人口が増え、街を整備する工事や河川改修工事などが行われ、急激に川が汚れていったのです。今のように、下水道が整備されていたら、そのようなことにはならなっかったかもしれませんが、その時はまだ整備されていなかったんですね。
「水が汚くて苦しい…。無念…。」と豊平川の鮭は絶滅してしまいます。
カムバックサーモン!
悲しんでいる暇はありません。鮭が絶滅した原因は明らか。下水道の整備が急がれました。
下水道の整備が整い、1970年代後半に水質が回復したことから、人工ふ化した稚魚を放流する「カムバックサーモン運動」が始まりました。それ以降、毎年稚魚の放流が続けられています。
今では、自然産卵の野生の鮭も帰ってくるようになっているそうです。都市河川に鮭が帰ってくるというのは、世界でも珍しいことなんですよ。
下水道の整備と聞くと、私たち人間の生活のことを考えがちですが、こういった自然の生態系にも大きく関わっていることも忘れてはいけませんね。
本州の方では、河川を綺麗にして蛍が飛び交うようになった例もあるようですよ。
へっぽこライター伊勢が知った下水管のはなし
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下水管のはなし