「管きょ」とは。
管きょとは、管=円筒形のくだ(管)、きょ(渠)=水路を表します。主に地中に埋設された円筒形の管を指し、水道管や下水道管などがある。道路側溝などの上面が開いている水路などは開きょ(渠)などと呼ばれています。埋設された下水道管などは地盤変化や、振動、そして地震等の災害による荷重により破損する可能性があります。破損してしまうと、ライフラインの一つが失われることになります。
そうならないために、清掃・調査を繰り返し、破損があるところは補修・更生を行います。
管きょ整備業務
大きく3つの業務に分かれています。
「調査」「補修・更生」「清掃」を行い、トラブルを防止しています。
調査
内面の異常や劣化(老朽)を調査
補修・更生
光や熱を使った修繕・更生
清掃
管きょ本来の機能を維持
TVカメラ車等を用い、
管きょが正常に機能しているか調査しています。
特に下水道管は加重や地盤変化、振動、地震等の災害、硫化水素による老朽化や突発的な外的影響により破損したりします。これを放置しておくと道路の陥没や地中の汚染に繋がる恐れがあるほか、下水道が本来の排水機能を果たさなくなることも。上記の問題が起きないよう定期的な下水道の調査を実施し、この調査を元に補修や修繕を行い、未然に事故等が発生しないように下水道の調査が行われています。
調査方法
用途に合わせて脱着可能な
「管内検査ロボット」を使います。
自走式のロボットで前方にカメラがついて、 前だけではなく側面も見ることができます。国内でもトップクラスの技術が導入されており、地上からコントローラーで遠隔操作できます。さまざまなカスタムが可能で、現場の環境に合わせて作業しています。
調査方法詳細
TVカメラ調査 |
管きょ内の進行方向、劣化・破損状況側面の状態をより詳細に調査することが可能で、地下水の下水道管内への流入や、劣化・破損状況を調査する上で画期的な調査方法です。 |
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TVカメラ調査(展開図式) |
管きょ内画像を縦断方向に切って展開した静止画として取り込む事ができます。スクリーニング調査にも利用されます。 |
簡易カメラ調査 |
TVカメラによる詳細調査を行う前の1次調査や重大欠陥を発見する為のスクリーニング調査に用いられます。 |
取付管カメラ調査 |
80~200㎜(屈曲管を除く)の小口径管きょを調査するときに使用します。 |
大口径カメラ調査 |
大口径管きょを調査するときに使用します。 |
その他の調査方法
人孔(マンホール)調査 |
マンホール内部から管きょに堆積している砂等の量や、マンホール自体の状態を目視で調査します。 |
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潜行目視調査 |
管きょの直径が800㎜以上の場合、調査員が管きょの内部に入り直接目視にて管きょの状態を調査します。 最近では大型管きょ対応のTVカメラ車による調査が安全面より主流となりつつあります。 |
不明管調査 |
不明管とは、文字通り不明な管です。各家庭から繋がっている下水管ですが、本来あるはずの桝が埋められてしまっていることも。それらを調査し、工事に支障が出ないようにします。 |
調査の前に管きょ内ガス測定を行い、安全を確保しています
一般的に酸欠と呼ばれるもので、管きょや暗渠など閉鎖的空間に入る前に必ず行う調査(測定)で、酸素濃度、硫化水素濃度、可燃性ガスを調査(測定)します。これらの項目全てが安全基準値内でなければ、人はその空間に入る事ができません。洗浄や強制換気等を行い、作業環境を整えてから再度安全を確認し各作業に入ります。
測定
調査・修繕の前に測定して
トラブル回避
TVカメラに装着したレーザー照射デバイスで、下水道管内形状を精密に計測し、管内壁の凹凸や変形を描き出すレーザーリングを生成し、360°方向の管径を精密計測します。それによって管内径を0.1mm単位の精度で解析することができ、管の変形、腐食、破損の解析が可能に。
調査・測定に関する保有資機材
調査・測定に関する保有資機材
プロファイラー(管きょ内径測定・3D化)
スーパービジョン用、ロビオン用
2台
調査表自動作成システム
1式
取付管用TVカメラ
5台
展開図式(魚眼)カメラ
1台
ガス濃度測定器 酸素・硫化水素・可燃性ガス
6台
簡易(人孔)カメラ
1台
下水道管の寿命はおよそ50年。
事故が起こる前に補修・更生していきます。
地下には電線、水道、ガス、通信等、様々な管や配線が張り巡らされています。また歩行者や車の安全性を考え、大々的な開削による管きょの入替え工事は厳しいのが現状です。当社では平成4年より非開削による管きょの更生工事を開始し、管きょを全面改良する更生(改築)工法、部分的な補修を行う部分内面修繕工法を取り入れ、現況ニーズに応えられる体制でお手伝いさせて頂いております。
更生(改築)
「光」や「熱」を使って管きょを更生。
進化を続ける科学技術。
今では、科学技術の進歩により"光"や"蒸気"による管更生工法が広がり、安全性が高まり、工事時間も短縮されています。日本全国の下水管の長さは地球を10周以上する長さです。その維持のためにも、技術は進歩を続けています。
光硬化工法 |
光硬化工法は、既設管内にアルファー(H)ライナーを引き込み、空気圧によって拡径して既設管内面に密着させた状態にします。特定の波長の光を管内から直に照射して樹脂を硬化させ既設管と一体化させます。 |
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オメガライナー工法 |
塩ビ管内に蒸気を送り、加熱することにより円形に復元。圧縮空気により既設管に密着させ非開削でスピーディーに塩ビ自立管として更生します。 |
部分補修(修繕)
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部分内面修繕は、コスト並びに施工が全面補修・更生、他工法と比較すると安価で且つ施工的にも迅速に対応できる事から、緊急を要する箇所に多く使用されております。
INS-LC工法 |
メーカー工場で受注製造される光硬化樹脂を含浸した補修シートを可視光線スリーブに巻きつけ、管きょ洗浄後TVカメラで位置を確認し破損部分との位置を合わせます。圧着後、可視光線を照射し硬化させ補修する工法です。 |
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ASS-L・H工法 |
メーカー工場で受注製造される光硬化樹脂を含浸した補修シートを可視光線スリーブに巻きつけ、管きょ洗浄後にTVカメラを使用しながら破損部分に位置を合わせます。圧着後、可視光線を照射し硬化させ補修する工法です。 |
バッカー止水工法 |
止水剤と専用止水剤注入栓(パッカー)を用い、破損部分を修繕することにより、破損部等から管きょ内部に浸入する地下水を止めます。浸入水は量が多くなると水と共に泥や砂を大量に管きょ内に流入させる事があります。破損程度が小さく浸入水が多い場合や、部分内面修繕または全面補修(更生・改築)の前処理として多く用いられます。 |
直径800mm以上 |
800mm以上の管きょについては、作業員が直接管きょ内で補修します。 ※破損状況等によっては、作業員が直接補修できない場合もあります。 |
Vカット工法 |
マンホール内の目地やクラック(ひび割れ)、管口等からの浸入水を止め、補修する方法としてVカット工法があります。止水箇所をV字型の溝状に削り、止水剤、補修材を用い止水します。 |
当社管更生施工実績
1996年(平成8年)以降、北海道内における管更生(取付管を除く)受注実績は総延長43,538.5mとなり、その殆どを自社にて施工しております。(2024年3月現在)
修繕・更生に関する保有資機材
修繕・更生に関する保有資機材
穿孔機 φ150
1台
穿孔機 φ200~300
2台
穿孔機 φ250~400
1台
穿孔機 φ300~600
1台
切断機 φ300~700
1台
部分補修用光硬化ユニット
2台
電動ウィンチ(3t)更生材牽引挿入用
3台
電動ウィンチ(10t)更生材牽引挿入用
1台
巻捨電動ウィンチ(3t)更生材牽引挿入用
1台
オメガライナー用ボイラーユニット
3台
光硬化工法用ユニット車
1台
清掃は水の道が持つ機能を維持する為には
無くてはならない業務の一つです
下水管は、自然の勾配を利用して流れるように設計されています。それが、砂や泥、木などによって流れなくなると、つまりや破損の原因となります。そうなると生活のインフラは崩れ、甚大な被害が出ることもあります。そうならないためにも、清掃はなくてなならない業務といえます。
また、調査のために使用する調査カメラが滞りなく走行するためにも清掃してから調査や修繕にとりかかります。
清掃方法
水圧によって泥や砂を回収
一般的な管きょ清掃は高圧洗浄車による高圧水を用いて汚泥吸引車により回収します。通常の高圧水洗浄では取り除くことの出来ない異物などは様々な器具等を使うことにより、より幅の広い清掃が行えるようにしております。
木根、ラード、モルタル、突出管など
多種多様な異物に挑む。
現場をカメラ調査で確認し、汚れ具合や異物を確認し、洗浄方法を決定します。機器の点検や作業中の安全確保に万全の注意を払い、行っております。
チェーンノズル洗浄 |
洗浄圧力を利用しチェーンを回転させることにより木根やラード、簡単なモルタル等の除去に使用します。 |
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穿孔機 |
油圧や圧縮空気駆動で管きょ側面の異物除去も出来る機材。主に異物除去としては突出管やモルタルの除去等に使用します。 |
回転ノズル洗浄 |
洗浄ノズルの一部を洗浄圧力により回転させる機構をもっており、通常の洗浄より高い洗浄性能があり、ラード等の洗浄除去に使用されます。 |
清掃に関する保有資機材
清掃に関する保有資機材
チェーンノズル・洗浄回転ノズルほかアタッチメント類
1式